ikiune diary 日々の出来事

息畝実/イキウネミノルが、その日見たり感じたことを綴ります。

9月12日

雲雀さんの魅力にとりつかれた私は、雲雀さんを振り向かすことに力を注ぐ。彼女は夜に漂う蛍だ。私はその光に誘われた。どうか彼女に私の放つ光を届けたまへ。

9月9日

これから私は、アンティゴネーを完成に導くための準備を整えなくてはならないのだろう。 その準備というのは、ものによっては長い時間を要するものがあるかもしれないが、きっとどれもそれほど難しいものではないはずだ。 しかも、それらのほとんどは私と雲…

9月7日

最近、ひたすら歩いてる。 歩けば、頭の中で何かが浮かぶ。そう自分に言い聞かせて歩いています。 今日は池袋のジュンク堂からしばらく歩きました。 明治通り下って目白近くのトンネルを抜ける。 横を見ると、荒川線の小さな電車が走っています。 その長いな…

9月6日

華氏451度を読み終えました。 読み終わり、言い知れぬ思いに苛まれる。 ビーティが主人公を説得する台詞がやけに気になった。 私は、この男が本の魔力に惹きつけられた人間のような気がしてならない。本を焼くことに執着することで、本に狂わされた人間の姿…

9月5日

第二幕がなかなか書けない。 もしかすると、以前パトリオット劇場の稽古場に行ったことで、いろいろと影響を受けているのかもしれません。 しかし、自分でも驚くほど全く焦っていない。 今は、書けないというよりはあえて書いていないという方が正しいのかも…

9月2日

彼女たちの劇団は、福島へと向かう。この前の稽古で眼鏡をかけた演出家の女性がそう言っていました。その旅がどんな風になるのか分かりません。けれど、雲雀うめ美のアンティゴネーが福島に立つ姿が私には見えます。私はその場面に立ち会わなければならない…

9月1日

今日、パトリオット劇場の稽古場に向かった。 いつもと違って、動きやすそうな軽い服装の雲雀さんが私には新鮮で、なぜか印象に残っています。 帰りに、雲雀さんが劇団員の男性から手渡されていたエドガー・アラン・ポオの文庫本を近所の本屋で購入しました…

8月30日

昨日、彼女に渡せなかった脚本が手元にある。紙とインクは不思議だ。それが物質としてあるということだけで、何か深い意味を勝手に見出してしまう。手にすることができ少しの重さがあるだけで安心してしまう。不思議なものだ。夏の夕焼け空の下で、私はこの…

8月29日

今日、雲雀さんの口から、彼女のアンティゴネーに対する思いを聞きました。雲雀さんは、私の書いたアンティゴネーこそを演じるべきでしょう。それがいいと思います。当然、この戯曲の上演の際は、アンティゴネーが雲雀さん以外では成り立たないですし。なに…

8月28日

海について考える。 私が生まれ育った所のすぐそばには海があります。それはどんよりとして、静かに波立っている。私の両親が幼いころには周りの大人達から一人でその海には近づいたらいけないと言われていたらしい。けれど、私がいたころにはもうそのような…

8月27日

「ああ、母の臥床の恐ろしさ!自分の生んだ夫の傍に母が添い寝する浅ましさ! そういう二人を親として、この惨めな私が生まれたのだ! その私が今、こうして呪われたまま、夫も無しに、後の世を両親とともに過すために連れさられようとしている」 よくよく…

8月25日

久しぶりに朝の7時に起きた。 しばらくして図書館に行く。 昨日、女性から手渡されたカードに書かれている宛先にメールを送ろうか悩む。 もしかしたら得体の知れない彼女の正体が分かるかもしれない。だが結局まだ送っていない。 それを咎めるのは私の心のな…

8月24日

多くの人々が集まるデモの喧騒の中、国会議事堂の前でイスメネ役の吉本ミカさんに出会いました。彼女は僕に群衆が好きだと語った。 そこにアンティゴネーはいなかった。群衆は大きな音をかき鳴らし、スピーカーを通して叫んでいる。アンティゴネーの声はそれ…

8月22日

「神よ!とモンターグは考えた。なぜ密告は、夜になってばかり舞いこむのだろう?昼間のうちは、ぜったいといってよいほど舞いこんだことがない!火は、夜間に燃えたほうがきらびやかだからか?そのほうが、眼にはなやかに映るからか? 戸口までたどりつくと…

8月21日

「それから直ぐに両手で乾いた砂を掬って来て振り撒いたかと思うと、今度は見事な青銅の水差しを、型どおり三たび高く掲げて、亡骸の上に注ぎ掛けたのでございます。」夕方まで図書館でアンティゴネーを中心に何冊か読んでノートにメモなどを書き込む。その…

8月20日

「 そうして今、その死に直面したからといって、別に何の苦しみも感じはしない、それよりは同じ母を持った兄が死んで亡骸を野晒しのまま放っておかれる方が、私にとっては遥かに苦しい、それに較べれば、私のしたことから何が起ろうと、そのようなものは苦し…

8月19日

今日、アルバイト先から最後の給料が振り込まれているのを確認した。突然辞めたので、さすがに給料はないかな、と思っていたら12万円入ってました。あれから、電話を無視し続けていたら、数日を境にぴたっと止んだ。それからは知らない電話番号から一件電話…

8月17日

雲雀うめ美 彼女がアンティゴネーです。 今日、私は彼女を見るために新宿にある劇団の稽古場所の近くまでいきました。 雲雀さんは今日は休みでいなかったようですが、彼女と同じ劇団にいる女性がいたので私が今現在創作中の作品の話をする。 彼女はイスメネ…

8月15日

「かれは彼女のひとみをのぞきこんだ。水のようにきれいに澄んでいるふた粒のしずく。そのなかに、くらく小さく、かれのすがたが浮きがあがって見える。こまかな点までが明瞭に。なにもかもくっきり映っている。口のまわりの線までが・・・・・・それはちょうど、…

8月12日

「さあ、よく考えて。私に手を貸してくれることは出来ないの?」「あなたの手を借りたいの、あの亡骸を抱きあげるために」今日も12時過ぎから新宿を歩く。これで3日連続です。新宿にいると、もしかしたら『アンティゴネー』を買ったあの人に出逢えるのではな…

8月11日

今日も電話がなりやまない。 ちょっと出ようかと思ったけど、やっぱり無視することにした。 あの女の人が来ないだろうか、ともう一度あの場所へ行ってみる。あまり人通りがなく、ひんやりした場所です。私はその地下通路に立って、目をつぶってあの人の声を…

8月10日

「でも、私には分かっている、あの人たちは、どうしてあげたら一番喜んでくれるのかが」金曜日、雑多な人々でにぎわう夜の新宿にしては、ほとんど異世界に辿りついてしまったかのような、ひと気のない地下道であの『アンティゴネー』を買った女性に出逢う。…

8月9日

「嘆きもされず、友もなく、婚礼の歌も聞かずに、みじめな私は、この身を待ち受けている旅へ 連れて行かれる」 「でも、どうあろうと、もののわかった方々なら、私があなたに尽くしたことは、正しかった、と言ってくれましょう」 今日は午前中から図書館にい…

8月7日

昨日、開店前の朝礼の際に、先週末に私が担当したレジで3千7百円の差額が出ていると伝えられました。 自分でもこの短期間に2度も会計でミスが起こるとは今だに信じられません。 昨日から仕事中ずっと、私だけ場違いな所にいるような気まずい雰囲気が漂ってい…

8月5日

今朝は10時に起きました。 昨晩あまり眠れなかったからか、目覚めると頭が少し痛いような、体調があまり良くない状態。 しかし、せっかく仕事が休みなのに家で寝てるのもどうかと思い、11時半頃に自転車で渋谷に行く。 渋谷に行くのはかなり久しぶりでした。…

8月3日

今日は外が暑かったせいかお店が空いてました。お客さんも涼みに立ち読みにくる人が大半でレジも混まなかったです。空いている間は何もすることがないので、返品の作業などをして時間を潰していました。 ただ、作業しながらレジも気にしなくてはいけません。…

8月2日

夏らしい暑い一日でした。 朝、ベッドの上で目が覚めると、すでに自分の体がほんのり汗ばんでいたので、それを冷めたいシャワーで洗い流す。 今日仕事中に、20代前後の若い女性に声をかけられました。 体系に合ったTシャツと小麦色の半ズボン、白い素肌と愛…

7月31日

今日で7月も終わりです。 気づけば学生達は夏休みのシーズンに入ったのですね。 ここのところ午前中から小学生くらいの子供達や制服姿の中高生を店内でよく見かけます。従業員の中にも大学生のアルバイトが数人いて、8月にサークルの旅行や実家に帰省するた…

7月30日

今日も昨日のデモのことを思い出してます。 正直ちょっと興奮もしました。群衆の汗の匂いが立ち上り、列から抜け出せなくて自分の汗が貼りつきました。なかなか外へ出れないので、道路の脇に植えてある木のそばに立って周りの様子を眺めていました。横にはキ…

7月29日

今日、私は仕事が休みでした。 朝に2、3度、目覚めては寝てを繰り返して午前11時に起きる。今日も暑かった。 午後の3時すぎに自転車で国会図書館に向かう。 涼しいところで夜まで時間を潰せたらいいなと考えていたので、冷房が効いている場所であればどこで…