9月2日
彼女たちの劇団は、福島へと向かう。この前の稽古で眼鏡をかけた演出家の女性がそう言っていました。
その旅がどんな風になるのか分かりません。けれど、雲雀うめ美のアンティゴネーが福島に立つ姿が私には見えます。私はその場面に立ち会わなければならない。
好きとか嫌いを超えた存在として彼女を追いかけなければならない。
私には福島が生贄にされた気がします。私たちは福島によって反省する契機を与えられた。福島の人たちは現代のアンティゴネーかもしれない。
遠い過去から私たちは同じ過ちの中で生きつづけているのかもしれません。
私の使命は雲雀うめ美の悲劇を書きつづけることです。ギリシャ悲劇を現代に移して書き換えなければならないのです。