ikiune diary 日々の出来事

息畝実/イキウネミノルが、その日見たり感じたことを綴ります。

8月24日

多くの人々が集まるデモの喧騒の中、国会議事堂の前でイスメネ役の吉本ミカさんに出会いました。彼女は僕に群衆が好きだと語った。
 
そこにアンティゴネーはいなかった。群衆は大きな音をかき鳴らし、スピーカーを通して叫んでいる。アンティゴネーの声はそれらの声に比べると、小さな、もっと別のもののような気がする。
 
 
吉本さんとの別れ際、私が彼女の隣でぼんやり立っていると全身真っ白の服を着た外国の人形のような女性が、名刺のような白いカードを静かに手渡してきました。
その女性は静かに微笑みながらカードを一枚一枚、周りの人に配って去って行きました。
 

騒々しい周りの雰囲気のなかで、彼女だけどこか別の次元にいるような存在感を放っていたのが印象的でした。彼女の周りだけ静けさが保たれ、そこだけ時間が止まっているように見える。

 
白いカードには手書きで「桑原さなえ」という名前の他に連絡先のメールアドレスと「住所不定」と書かれていて、裏には詩のような言葉が記されてあります。
 
彼女の目的は分からないままですが、私の手元には白いカードが残されている。そのカードをずっとみていると、過剰に意味を見いだしてしまうそうだ。彼女、桑原さなえとは、何者なのだろうか。
 
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