ikiune diary 日々の出来事

息畝実/イキウネミノルが、その日見たり感じたことを綴ります。

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9月29日

私は南相馬の海辺を歩く。 陽射しをまともにうける。漂流したものが砂浜にうちあがっている。 背後には草が生茂っていて、所々に大きな水溜りがある。堤防には私と親子2人がいた。高く激しい波がブロックに当たり白い波飛沫があがっていた。 アンティゴネー…

9月27日

昨日から少し体調を崩している。今、私は南相馬にいます。 午後、福島駅からバスに乗って移動。 原ノ町駅の前に着くと、辺りは暗くなりかけだった。 泊まる宿を探すと、どこも既にいっぱいらしく断られる。 ひとつだけ。夜の7時になるまで分からないが、空き…

9月23日

一日中、雨が降り続く。 朝、宿を出てバスに乗り福島駅で降りました。そのまま何もせず時間が過ぎる。 昼すぎ、駅の近くで、私の前を白い服を着た女性が通っていった。 はじめは誰だか気がつかなかったけど、すぐに思い出した。 デモのあった日に「桑原さな…

9月22日

何をするでもなく、ひとり福島に残っている私がいる。 あの時、劇団員が襲ってきたとき、雲雀さんは私の目の前にいた。でも、地面に散らばった私の戯曲を拾ってくれた人の中には雲雀さんの姿は無かった。 気がついたら、雲雀さんはいなかった。 雲雀さんはあ…

9月21日

私は彼らの後を追うようにしてバスへ乗った。 荷物をまとめて福島へと向かった。 福島。彼女たちの劇団はその土地に何を求めているのか。 彼女たちはどのような術でその土地の嘆きを埋葬できるのか。 私がこの目で確認してみよう。 私こそがその劇に立ち会う…

9月19日

背の高い男優を振り切った後、久々に昔のバイト先の近くを通った。かつての職場は、西新宿のビル群に囲まれ、ビジネスマン達が闊歩する。その均質さに眩暈がし、少し吐き気もした。いつ行っても変わらない、灰色の景色。そのあと、興奮したまま、あの演出家…

9月18日

独断と偏見によってアンティゴネーの魂がからめとられている。つまり、雲雀うめ美の魂もだ。私には黙って見過ごすことはできない。そんな事は耐えられない。あの演出家が作るアンティゴネーにどのような価値を見出せるのか。今、私や雲雀さんは堅固な壁に直…

9月16日

雲雀さんの劇団の演出家の方からメールが来た。明日、新宿で演説をするらしい。この前渡した戯曲のこと、この前送ったメールに対する返答みたいです。とにかく行ってみるしかない。雲雀さんにどうにかして繋がるには事を起こすしかないだろう。私は私の使命…

9月14日

窓から外の白い光がうっすらと確認できる。朝です。眠ってる間に夢をみました。けど、どんな夢だったのかは覚えていない。そんな夢はどこにいくのだろうか。そのような夢が溜まっている場所がどこかにあるのだろうか。ただ唯一、波の音と混ざって頭に響いて…

9月12日

雲雀さんの魅力にとりつかれた私は、雲雀さんを振り向かすことに力を注ぐ。彼女は夜に漂う蛍だ。私はその光に誘われた。どうか彼女に私の放つ光を届けたまへ。

9月9日

これから私は、アンティゴネーを完成に導くための準備を整えなくてはならないのだろう。 その準備というのは、ものによっては長い時間を要するものがあるかもしれないが、きっとどれもそれほど難しいものではないはずだ。 しかも、それらのほとんどは私と雲…

9月7日

最近、ひたすら歩いてる。 歩けば、頭の中で何かが浮かぶ。そう自分に言い聞かせて歩いています。 今日は池袋のジュンク堂からしばらく歩きました。 明治通り下って目白近くのトンネルを抜ける。 横を見ると、荒川線の小さな電車が走っています。 その長いな…

9月6日

華氏451度を読み終えました。 読み終わり、言い知れぬ思いに苛まれる。 ビーティが主人公を説得する台詞がやけに気になった。 私は、この男が本の魔力に惹きつけられた人間のような気がしてならない。本を焼くことに執着することで、本に狂わされた人間の姿…

9月5日

第二幕がなかなか書けない。 もしかすると、以前パトリオット劇場の稽古場に行ったことで、いろいろと影響を受けているのかもしれません。 しかし、自分でも驚くほど全く焦っていない。 今は、書けないというよりはあえて書いていないという方が正しいのかも…

9月2日

彼女たちの劇団は、福島へと向かう。この前の稽古で眼鏡をかけた演出家の女性がそう言っていました。その旅がどんな風になるのか分かりません。けれど、雲雀うめ美のアンティゴネーが福島に立つ姿が私には見えます。私はその場面に立ち会わなければならない…

9月1日

今日、パトリオット劇場の稽古場に向かった。 いつもと違って、動きやすそうな軽い服装の雲雀さんが私には新鮮で、なぜか印象に残っています。 帰りに、雲雀さんが劇団員の男性から手渡されていたエドガー・アラン・ポオの文庫本を近所の本屋で購入しました…