ikiune diary 日々の出来事

息畝実/イキウネミノルが、その日見たり感じたことを綴ります。

8月27日

 

「ああ、母の臥床の恐ろしさ!自分の生んだ夫の傍に母が添い寝する浅ましさ! そういう二人を親として、この惨めな私が生まれたのだ! その私が今、こうして呪われたまま、夫も無しに、後の世を両親とともに過すために連れさられようとしている」

 

よくよく考えてみたらイオカステは2人の悲劇の主人公の母親だ。

母親となることなくこの世から死者の国へと旅だっていったアンティゴネーと、腹を痛めて生んだ子供がともに悲劇へと巻き込まれる不運な母親、イオカステ。
 
二人の女性の悲劇が連なっている。
 
オイディプスはアンティゴネ―の父親でありながら異父兄妹でもある。その家族の有様は「曖昧模糊」としている。
 
 
そうした曖昧模糊の中で、彼女は母親という自からが背負った宿命を歎いて死んでいったのかもしれない。